ハムスターのしぐさの意味。行動からわかる気持ちとは
種類が豊富で個性もさまざまなハムスターですが、基本的には警戒心が強く、慎重で臆病な性格だといわれています。そのため、迎え入れた際に「すぐに一緒に遊べると思っていたのに、巣箱から出てこなくてさみしい」という声も聞かれます。
しかし、ハムスターのような小動物は、野生下では常に捕食される側にいるため、外敵から身を守るための行動が多く備わっています。そのしぐさや行動には意味がありますが、それを理解せずに接していると、ストレスを与えかねません。
ハムスターは寿命が短いため、一緒にいられる時間も限られています。そのなかでもっと仲良くなるためには、ハムスターの気持ちに寄り添うことが大切です。
しぐさや行動に込められた意味を理解して、上手に信頼関係を築きましょう。
ハムスターのしぐさの意味
ハムスターの気持ちが特に表れやすいのが、耳といわれています。
その他の体の部位や、ボディランゲージなどからも、気持ちを察することができます。
【耳】
ピンと立てているときは、音を聞こうとしており、興味や警戒を表します。
また、リラックスしているときは、耳の力が抜けてペタンと寝ています。眠っているときも耳の筋肉がゆるむため、寝た状態になります。
なお、耳を後ろに向けているときは、とても警戒して恐怖を感じており、口が開いていたら、威嚇のサインです。
集中しているときにも同じしぐさが見られます。
【歯】
カチカチと歯ぎしりしているときは、不満を表しています。
また、歯が伸びすぎて音が鳴っていることもあります。不具合が生じているようなら、早めにかかりつけ医に相談してください。
なお、気に入らないことをされたときに、噛むことがあります。嫌がることはしないように、気をつけましょう。
【鳴き声】
一般的には、ハムスターはあまり鳴かないといわれています。
しかし、怒ったときには特徴的な鳴き声を出します。「キーキー」「ジジッ」などは、怒りや警戒を表し、威嚇するときにも聞かれます。
また、「プップッ」など、寝ているときに聞こえてくる声は、寝言だといわれています。
【ボディランゲージ】
・二本足で立つ
警戒心や好奇心を表します。何か異変を感じたら、二本足で立ち上がり、耳を立てて鼻をひくひくさせるなどして、辺りの様子を確認しています。相手を威嚇するときに、立つこともあります。
また飼い主が近づくと、ごはんやおやつを期待して、立ち上がる場合もあります。
・ひっくり返る
ジタバタしているときは、起き上がれずにもがいています。そっと手助けしてあげてください。
仰向けでお腹を見せて寝ているときは、リラックスしています。
鳴きながら暴れているときは、興奮しています。怒りや恐怖を感じており、「近づくな!」と威嚇しています。
そして、突然の大きな音に反応して、コロンとひっくり返ることがありますが、これは死んだふりをしています。そうすることで、身を守ろうとしています。
・フリーズする
驚いたり、恐怖を感じたりすると、ぴたっと体の動きを止めて、周りの風景に溶け込もうとします。危険を察知しており、息をひそめている状態です。
・猛ダッシュする
危険を察知して、逃げています。人から見れば安全そうに見える状態でも、ハムスターは嗅覚や聴覚で何かを感じ取り、危険を判断します。まずはフリーズして、それでも回避できそうにない場合は、猛ダッシュします。
走っているときはパニックになっているため、落下や追突など、ケガに注意しましょう。
ハムスターの習性による行動
ハムスターが日常的に見せる行動には、習性が影響しているものもあります。そうした行動にも気持ちが表れていることを、理解しておきましょう。
【かじる】
身の回りの物をよくかじるのは、それが何かを確認するためです。本能的な行動ですが、遊んでいる場合もあります。
また、伸び続ける歯を削るためにも必要で、ストレス解消にもなっています。
かじると危険なものは、室内やケージ内には置かないようにして、安全対策にも気を配りましょう。
【毛づくろい】
きれい好きなため、毛づくろいをして体の汚れを落としています。また、前足で顔を洗うようなしぐさは、主にヒゲのお手入れをしています。ヒゲは周囲の安全を確認するために、大切なセンサーの役割を果たすため、とても念入りにケアをします。
その他にも、緊張しているときは自分の匂いを体につけて安心しています。
なお、体温調節のために毛づくろいを行うこともあります。
【縄張り行動】
周りの物や場所に、体をスリスリとこすりつけて歩く姿は、ケージを掃除したり、新しいグッズを入れたりしたときに多く見られます。いつもの匂いと違うため、落ち着かずにそわそわしたり、ウロウロしたりします。
また、発情期にはオスもメスも、マーキングをよく行うようになります。
【物や壁に沿って歩く】
視力が弱いため、安全を確認しながら進んでいます。
ハムスターは近眼のため、周りの物をぼんやりとしか確認できません。そのため、ヒゲや皮膚に触れる感覚を頼りに歩いています。
【食べ物を隠す】
野生のハムスターは、食べ物はすぐに全部食べず、ほお袋に詰めて巣穴に持ち帰り、貯蔵します。そのため、ペットのハムスターも、ほお袋に食べ物を入れて、保管します。
もし突然、ほお袋の中身を全部出し始めたら、危険を感じているサインです。恐怖を感じて逃げようとしているため、ストレスを与えずにそっとしておきましょう。
【回し車で走る】
野生のハムスターは、エサを探すために数キロ先まで走るといわれています。そのため、走ることが本能的な欲求として備わっています。
ペットのハムスターはケージ内での飼育となるため、回し車を走ることで、その欲求を満たしています。ストレス発散や運動不足の解消にもなるため、回し車は欠かせないグッズです。
【砂浴びをする】
とてもきれい好きなため、全身に砂をこすりつけることで、体の汚れや匂いを落としています。砂がまき散らされるため、砂場は衛生的に心配の少ないものを選びましょう。
【ホリホリする】
野生下では地中に巣穴をつくって暮らすため、床を掘る行動がみられます。床材を厚めに敷くなどして、ホリホリできる場所を用意してあげましょう。
安全対策に気をつけながら、環境を整えてください。
【暑さ寒さのサイン】
暑いときは、体をのばして寝たり、熱を発散させるために、仰向けになって寝転んだりします。
寒いときは、丸まって寝たり、巣箱から出てこなかったりします。冬は気温が5度以下になると疑似冬眠の恐れがあるため、注意してください。
【姿を隠す】
ハムスターは体調が悪いときほど、敵に見つからないように隠れる習性があります。以前は慣れていたのに急に姿を隠すようになった場合は、健康状態をチェックしてみてください。
また、何か怖い思いをしたために、トラウマになって隠れている可能性もあります。あまり無理強いをしないように様子をみましょう。
もし普段とは違う点が多いなど、不調が疑われる場合は、すぐにかかりつけ医に相談してください。
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ハムスターともっと仲良くなろう
新しい環境で暮らすハムスターとは、時間をかけて仲良くなることが大切です。いきなり触れあおうとせずに、まずは住まいに慣れてもらい、そのなかで飼い主の存在も受け入れてもらいましょう。
ハムスターとコミュニケーションをとるためにも、しぐさや行動の意味を理解して、やさしくお世話してあげてくださいね。
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